samedi 15 octobre 2011

Quartier Lointain / @Theatre Monfort

前に劇場の年間予約をしたという記事を書きましたが、
とうとうその日がやってきました!!

1つ目は、なんと初めてのフランスでの演劇!!

一緒にチケットを予約したフランス人マダムが、
大好きだという日本のマンガが原作になっていて、ずっと楽しみにしてました。



これが原作になったマンガ、谷口ジローの「遥かな街へ」です。

出張帰り飲み過ぎて、電車で気を失った主人公が、
気づいたら故郷で14歳の子どもの頃に戻ってしまっていた、というお話です。
ちなみに、picoler と劇の始めで言っていたのですが、これどういう意味だろうって
思ってたら、お酒をたくさん飲むってことって教えてくれました。
ふー。やっぱり台詞のあるものは、フランス人と行かないとまだだめです。



私はそのフランス人マダムから教わるまで知らなかったのですが、
谷口ジローのマンガは、フランス人にすごく人気で、たくさん翻訳されてます。
私もこの作品ではないのですが、マンガを勧められて貸してもらって読んでました。



日本の作品をフランス人に勧められるのって、すごくうれしいようで、
ちょっと情けない気にもなってしまう。

いつもダンスを観ることが多く、演劇には目もくれていなかった私ですが、
この作品が面白くて、もっともっと観たいって思うようになってしまった!!




まず、舞台美術!!
真っ暗の中の四角い色や柄の背景の上に、家具や人が配置され、
すべてのシーンごとに、それらが完璧にデザインされた舞台は、
豪華な装置や衣装なんか必要なく、すごくかっこよかったです。


そして、これは、映画やテレビの映像なんかじゃ体験できない、
光や音の演出、それから空気とか匂いとか、
そういう、体全体から伝わってくる、劇場だけの特別の感覚は、
頭だけじゃなくて、足の先まで覚えてるから、ずっと反芻してた。

日本でも、もっと演劇観ておけばよかったなぁと、後悔。

本当に面白い作品でした。

そしてそして、劇場は、いつものパリ市立劇場ではなく、
これまた初めての、THÉÂTRE MONFORTという、パリのはずれにある劇場でした。


劇場自体は、そこまで大きくないのですが、建物が三角になってて面白いです。


中はこんな感じでバーになってて、ご飯も食べれます!

ちなみに、この原作になったマンガ、
映画にもなってました!
日本からフランスに場所は変わってましたけど。



http://www.quartierlointain-lefilm.com/main
去年、フランスとベルギーで公開されたものみたいなので、
見つけたら、観てみます!!

jeudi 21 juillet 2011

...como el musguito en la piedra, ay si, si, si... / Pina Bausch @Théâtre de la Ville

世界中にファンがいて、誰からも愛されるドイツの振付家、ピナ・バウシュ。
今月、とうとう、ピナのダンスをパリ市立劇場で観ることができました!!
2009年のピナの遺作となってしまった、
《...como el musguito en la piedra, ay si, si, si...》(石の上のコケのように)です。
ピナ・バウシュ振付/演出、ヴッパタール舞踏団によるダンス。
私は、これが初めてでした。

ピナのダンスの評判と人気は、以前からよく耳にしてました。
ヴィム・ヴェンダースが撮った彼女のドキュメンタリーもパリで公開されて話題になっていたのは、つい最近のこと。

 映 画は、劇場じゃ絶対観ることのできない、舞台の中まで入っていった映像や、屋外でのダンスは、すごく面白かったのですが、それ以外は、いわゆるドキュメン タリーの枠をはずれないもので、ピナの魅力を十分と味わえわけでもなく、少しもの足りないなと思っていたところでした。


仕事終わりの夜8時半開演。お客さんもいつもより賑やかな感じのしてた劇場。


映画で見た人たちばかりの登場だったのですが、全員が全く別人のよう。
これまでいろいろなダンスを観てきたのですが、こんなにもダンサーの人たち個人のひとり一人違った表情が感じとれ、代役を立てることができないほどにできあがった役を演じていると思えるものには出会ったことがないです。
そして台詞があったりしてダンスでもなく、でも演劇でもない、タンツテアターと言われる舞台が、こんなにも面白いなんて思いませんでした!!


いろんな演出があるのも、ピナのダンスの特徴。土や大きな木を運ぶ女性、コップの水でびしょびしょになったり、ぷーってはき出したり、食事をしだしたり、フルーツを観客にプレゼントしたり。

全員が出てくるこの場面、みんな寝っころがってくっついて、
すごくすごくかわいかった!
ダンスを観ていて、かっこいー!って興奮することはあっても、こんなにやさしい気持ちになって、心細くなって、少しさみしくなったり、今度はおかしくて笑ったりっていう、自分のなかでころころと気分が変わっていくことも、初めてでした!!

映画とダンスを観る順番を私は間違えたと気づきました。
ダンスは、やっぱり劇場で観ないとぜんぜん分からないし、
映画は、ダンスを知ってる人が、もう少し奥の方までのぞきたいなという人たち向けだと思いました。

今回のダンスで、もうピナのダンスのとりこになってしまった!!
来年のチケットももう予約したし、今からほんとに楽しみ!!


lundi 6 juin 2011

「pina」!!

Pina Bausch のドキュメンタリー映画を
やっと見に行って来た!!

http://www.pina-film.de/en/

予告がすごくよかったのと、
監督がWim Wenders、
そしてなんといっても
pina という人に興味があったから、
期待をしすぎていたのか、

..........70%くらいしか楽しめなかった。

もちろん、映画であるから
劇場では見れないところまで近く、
そして迫力あってかっこいいし、
電車の中での宇宙人たちは、
大好きな場面。

でも、ドキュメンタリー映画特有の、
pinaの周りのダンサーたちの語り、
その人たちによるダンスで
ほとんどが構成されていているのだけど、
なんともぱっとしなく、目新しいこともなく
淡々と進んで行ってしまう。

この映画を見て、pina のことを
少し分かったようになった気になってくるけど、
より興味を惹いてるかというと
???
となってしまう。

Pina Bauschという人が
魅力的であるのは変わらないし、
もっともっとダンスも観たいっ
ていう、欲求もまだまだ!

ローザスの映像は好きだし、
ダンスを映像で観るのも、
違った面白さがあると今も信じてる。

でも、pina の作品は、
演劇に近いから、やっぱり、
劇場が一番いいのかもしれない。

2週間後の公演を楽しみにしとく!!

mercredi 1 juin 2011

Rain / Anne Teresa de Keesmaker @ Palais Garnier

2年ぶりのパリオペラ座!http://www.operadeparis.fr/
ANNE TERESA DE KEERSMAEKERの作品RAIN。
衣装 Dries Van Noten
音楽 Steve Reich
の前回のtheatre de la ville よりも、かなり豪華。


日本の講演含めて4回目のANNEの振り付けだけど、
今回が一番、最後まで後を引いて、夜もずっと興奮してた。

Steve Reichとは、何回もコラボレーションしてるみたい。
音楽がじゃまだなぁと感じるダンスも結構あるけど、
ここまで音楽とダンスの行き来がなめらかで、
すっと落ち着くのは今までなかった。
オーケストラの生演奏がすごく贅沢だった。

それと、なんといっても、衣装がよかった。
さくら、よもぎ、きなこ、
そんな気がする、春のやさしさ、おいしさ
そして、身体の延長上にある色を使うことで、人の動きによってじゃまされない。
途中、半分のダンサーたちは、衣装替えをして、
明るいピンクを身につけてくる。
そうすると、光が変わる。
植物→自然→地球

他の振付家のするダンスとの大きな違いは、感情が現れてこないところ。
ダンサーたちそれぞれが空間の楽譜を持って、ステップで鍵盤を踏み、
パスルを解くようにダンスを奏でる。
そんな感じのするものだった。

日本人ダンサーは独舞で、技術を見せるっていうのが多いように感じるのに対して、
10人同じ動きをするのではなく、一人が抜けてしまうと成り立たないような、
全員で一つを踊るっていうのは、やっぱり、10倍の面白さと、感動がある。



samedi 28 mai 2011

Continu / Sasha Waltz @Théâtre de la Ville

たぶん、6年ぶりくらいだと思う、
SASHA WALTZ。
かなりひさしぶりで、
どんなだったかなーって
思ってる暇はなく、
幕が上がった瞬間から、
もう、引き込まれた。

劇場の観客全員が
宙づりの3人に
息を飲んだ。

そこからは、一気に
24人の大所帯のダンサーたち。
こんなに大勢のは見たことがなかったから、
しびれた。

周りの人たちにのまれたくない、
自分を守りたい、
って逃げるけど、
でも、いざ一人になると、
寂しくて、こわくて、
誰かをさがしてしまう。

そんな感じがした。

つい最近、この劇場で見た、
Anne Teresa de Keersmaekerの振り付けは、
リズムと音、そして人の存在と体の動きを記号化して、
そのズレや重なりが面白いなと思ったのに対して、
SASHA WALTZは、
ストーリー性があって、
人の感情を動きに表す、
内から出てくるものの表現みたいな気がした。

音楽が次第に消えていって、
踊る息づかいが拍子となって、
もう、半分ハイになって
でも、まだ吐き出せない
苦悩が見てとれるのがすてきだった。

最後の舞台いっぱい敷いてある白い紙の上を
衣装を替えたダンサーたちが集まり、
そして、その軌跡を残して、
消える。



6月1日には、オペラ座で
またAnne Teresa de Keersmaeker。

vendredi 27 mai 2011

Madame Grès @Musée Bourdelle

一応カリキュラムは終わったし、
残すはあとテストだけだしってことで、
誰が言いだしたのか、いきなりクラスみんなで
 マダム グレ 
の展示を観に行くことになった。
http://www.parismusees.com/madame-gres/





行こうとは思ってたからちょうどよかったけど、
展示してると思ってた美術館
Le Musée de la Mode de la Ville de Paris
は改装していて、
初めて行く
Musée Bourdelle
だったから、びっくりした。

常時500体以上の彫刻作品が展示してある美術館で、
「石を彫るのと布で作るのは同じ」と話す、
布の彫刻家マダムグレの作品を見ることができるのは、
彼女の願いにぴったりだったんじゃないかと思う。

上の写真のように、彫刻家のアトリエを再現してる部屋に、
色鮮やかなドレスたちが所々置かれているけど、
それが全く違和感ないのが不思議だった。

ドレスを実際に着ている写真はあまりなく、
やっぱり、人が着てなくて、
こうやって展示してるだけだと、
芸術作品として鑑賞してる気がしてくる。



きれいにお化粧して
スタイルのいいモデルさんが着ることで、
よりよく映えるドレスたちが
たくさん存在するのに対して、
マダムグレは、そのドレスだけで
芸術作品としての価値のあるものとして、
作っていたのだなぁと感じた。

3,5ユーロだし、もう一回行きたいと思う展示だった。

7月24日までやってるので、ぜひ行ってください!