mardi 18 juin 2013

We Were Horses / Bartabas , Carolyn Carlson @ parc la villette


数年前に日本に帰ったときに、電車の広告でZINGAROという、馬に乗りながらパフォーマンスをするスペクタクル集団がパリからやってくる!っていうのを見つけてから、ずっとずっと彼らのことが気になっていた。そのときはチケットが1万円以上する公演でなくなく諦めたけど、パリでいつか絶対観ると心に決めてた。そのZINGAROではないけど、ZINGAROを主宰しているBartabasが、2003年にずっと使われていなかったヴェルサイユ宮殿の大厩舎に設立した馬術アカデミーの学生たちと、アメリカの振付家Carolyn Carlson率いるダンサーたちのコラボレーションの公演を偶然見つけたから、観に行ってみることにした。
ちなみに、馬術アカデミーの学生たちのパフォーマンスは、ヴェルサイユ宮殿で週末観ることができるみたいだから、そこにもいつかは行ってみないと!



http://www.photoscene.fr/index.php/rubriques/portfolios/we-were-horses-carolyn-carlson-et-bartabas
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衣裳もよかった。土の舞台に、アースカラーがとても合っていて、真っ白の馬がより白く、引き立ってみえた。長い槍を担いで、舞台の双方から駆け抜け合う、その馬と馬交差するときの緊迫感がすごい!一列目は砂が飛んで来るくらい近くて、その風も受けることができて、会場の土と馬の匂い、土の湿った感触、それに音楽と馬の息づかい、そういうの全部が目を閉じてても体じゅうからその空気感を浴びていられて、脳の中まで刺激された気分。


Carolyn Carlsonは、70-80年代にパリオペラ座のプリンシパル(エトワール)として名を馳せた人。同時に振り付けもしていて、ヴェニスに行ったり、ヘルシンキに行ったりしながら、1999年にパリにatelier de paris Carolyn Carlsonを設立する。その後、2004年からは、フランスに19ある国立の振付センターのひとつ、Centre chorégraphique national Roubaix のディレクターも務めてる人。フランスに、国立のダンス協会みたいなのがあるっていうのも驚いたけど、日本でいうところの、日本芸術文化振興会みたいなものかな。でも、その国立のセンターのひとつを、アメリカ人の彼女が長をしてるというは、日本じゃなかなか考えられないかも。
スペクタクルのほうはというと、正直、ダンサーたちだけのパートは、もの足りなさを感じてしまうほどに、馬の存在感が大きい。というのも、これまで全く馬に対して興味を抱いたこともなかったのだけど、馬たちが美しすぎた。そしてそれに跨る女性たちが凛々しくて本当にかっこいい。ジャンヌ・ダルク。動物と一緒のこういうスペクタクルって、サーカスとか、そういうものしか思い浮かばなかったけど、全く違う。動物って、臭いしちょっと汚いし、子どもみたいでかわいい、っていうそういう、動物の尺度で考えられるものじゃなくて、そこには、全く次元の違った洗練された美しさがあって、はっとさせられてしまった!それは、もちろん、調教する騎手の女性たちの技術の高さのおかげだし、ここまで馬と人とが意思疎通してるように感じる演技に、どきどきしてくる!


今年の12月には、ジンガロをとうとう観るとこができる。本当に本当に楽しみ!!!


ムッシューBartabas、もみあげがすごくって、もう少し面長だったらルパンみたいでかわいい。

mercredi 5 juin 2013

Le Sarcre du printemps / Pina Bausch @ Théâtre des Champs Elysées

数年前にエントランスまでは入ったことがあったけど、今回初めて、Théâtre des Champs - Elysees の劇場の中に入って公演を観ることができた。今年2013年は、この劇場が建てられてから100周年!フランスの音楽ジャーナリストで興行師だった、Gabriel Astrucガブリエル・アストゥリュク自身が資金を出して建設された劇場だけど、その後彼は破産してしまったっていうから、それだけ想いのこもった劇場なんだと思う。こけら落としには、Gabriel Astructと親交のあった、ディアギレフ率いるBallets Russesバレエ・リュスが、ニジンスキーの振り付けでストラヴィンスキーの「Le sacre du printemps春の祭典」を発表。これが、歴史に残る、観客同士が殴り合いにや野次で問題になった最初の公演。今では、本当に様々な振付家によって世界中で公演がなされてる「Le sacre du printemps」も今年で100周年ってことになる。それを祝しての、ピナ振り付けによるヴッパタール舞踊団の「Le sacre du printemps」だった。

始まる前には、「Probe Sacre (Une répétition du Sacre )」という日本人ダンサーKyomi Ichidaが、ピナから振り付けのレッスンを受けてるドキュメンタリー映像がスクリーンに映し出され、それがすごく面白かった。
Ichidaさんも素晴らしいダンサーなのだろうけど、ピナの動きとはほど遠く
全く違うものに見えてしまった。大きな円を描いてふんわりとした手の動きのほんの数秒のところを、ピナはタバコをずっと手にしたまま、こんな感じよっていう風に、ちょっと力の抜けたように何度も何度も繰り返し踊って伝えようとしてた。ピナは、背が高く、真っ直ぐで、手がすごく長い。身体は自然にしなやかで、小枝のように風にも揺られてしまうような軽さを見ていて感じた。

もう少し見ていたいと思ってたところで終わってしまって、スクリーンがあがるど、舞台には、土を目一杯詰め込んだ大きなタンカーがたくさん運ばれてきた。どしん、どしんと、舞台に土が敷き詰められてく。二階席の舞台に張り出したバルコニーの1番前の席だったから、土の香りがほんわりとしてきて、それを身体に吸い込んで、劇場に溶け込んだ気分で観る準備は万端。


始まりは、ヴィム•ヴェンダースのドキュメンタリーで何度も見たし、内容も映像で見たことあるから、だいたいのことはなんとなく知ってたはずだった。でも、やっぱり、劇場で観るのは、ぜんぜん違う。匂いや音で気分は高揚してきて、迫ってくるダンサーたちの目に圧倒されて、背けてしまいそうに怖い。これまで観てきたピナの他のどの作品とも感じが違くて、幸せな気分になったりはしないけど、どの作品よりも、またもう一度観たい!