dimanche 21 octobre 2012

Faces / Maguy Marin @ Theatre de la ville









jeudi 18 octobre 2012

あわせ鏡のはざまでーうつし / 山海塾@Theatre des Bergerie

先月の田中泯さんに続いてパリ近郊に現れたのは、山海塾

毎年世界中で公演をしている、海外でも評価の高い山海塾。それを率いるのは、天児牛大さん。私は、2007年に行われた、大野一雄 百歳の歳 ガラ公演 「百花繚乱」 の舞台で初めて、白塗りではなく、黒のタートルネックに、スラックスで踊る天児さんを観ました。そのときは、舞踏界の大御所数十人が集まったこの先はもう 観られないような豪華な公演だったのですが、その中でも、地を感じさせない、数センチ浮いたところに存在しているような天児さんの踊りに私は惹かれまし た!それ以来いつも気になって、日本のダンス、舞踏の中では、山海塾が一番好きになりました。


http://www.kitakyushu-performingartscenter.or.jp/event/2011/0129sankaijuku.html



公演が始まる前、劇場のバーに見たことあるような人がワインを飲んでいて、よく見たら天児さんでした。思い切って話しかけに行って、異国 の地で、よくわからない舞踏好きの変な日本の若者が来たな、と思われてる気がしますが、天児さんはそれでも、やさしい口調で応じてくださって、ほんとにう れしかったです!!小柄で中性的、そして菩薩さまのような佇まい。普段の様子からも、山海塾の雰囲気が漂ってるよう。

日本では、2009年の「金柑少年」、パリでは2010年の春に「から・み」を観て、今回パリ郊外の劇場、Theatre des Bergerieでは「うつし」。




今回の公演も、観客の年齢層 は高め。子ども含め、20代まではほとんどいませんでした。フランスの舞踏ファンは、5-60代以上が多いみたいです。劇場は、パリ市内ではなく、郊外行 きのRERという電車に乗っていきました。パリ市内から一駅なので遠くはないのですが、降りたところは住宅地で、人もぜんぜん見つからない!劇場は駅から 15分くらい歩いたところにある、分かりにくいし少し不便なところ。それでも、街の人たちには愛されているようで、劇場は満員でした!!

ま ずは4人が登場。空中に浮かぶ土の中で芽を出そうとうごめく種子のようで、裾の丸く広がったスカートは、その芽を支える振り子のよう。観客席までかぶって しまいそうなくらいに、真っ白い粉を空に投げると、舞台は粉の煙に包まれて、浦島太郎みたいに、どこか異次元の空間に誘い込まれてしまうようでした。


山 海塾の公演でいつも感じるのは、舞台で踊ってる人たちがリアルすぎて、お化粧ではなく、こういう人間じゃない、人の形をした何かが本当に存在して、こうい う空間が作りものではなく、現実にそこにある、という錯覚をおこしてしまう。踊り手や舞台作りが秀逸。汗のしずくまで見える位置で観ていたのだけど、そう いった人間臭さを感じさせない、地と天の中間を行き来する、雲に乗れそうな存在。白塗りだから、口を開けたときだけ見せる赤黒い色はブラックホールのよう に奥が見えなくて、吸い込まれそうになって妖怪のようにも見える。それに、動きは、次の動きに移るときのその間の瞬間が特に美しくて、能に通じるような日 本独特の美をとても感じさせる。



こういったのは世界中のどこにも似たようなものは見つけることができなくて、後にも追随を許さないような、唯一無二の存在。そういったところも、海外の人たちからも高く評価されている理由なのかな。
やっぱりすごく面白い!一人で遠出するのはためらっていたのだけど、来て本当によかったです。