samedi 7 mai 2016

今の自分のすべてはドラゴンボールとスター・ウォーズでできている

いやー、本当にパリでよかったなぁと感じた瞬間。

最近新しく職場に来た20代後半の女の子。彼女の席の脇を通ると、あの海に浮かぶカメハウスを背景にエロ顔でピースしている亀仙人が腕からチラチラのぞいてたから、これは!とドキドキ。みんなには聞かれないようにこっそり帰りに声かけてみたら、のってくるのってくる。『ドラゴンボールは私の子ども時代のすべてなの❤』と、日本のオタク女子っぽい仕草がかえってきて、あぁ、なんかいいな。日本ではぎょっとするようなものでもこっちで出会うとなんだか愛おしくさえ見えてくるよ。

話を聞くと、ドラゴンボールは全巻漫画を持ってるらしく、大好きなだと。日本よりフランスのほうが大人気だよ!!って言ってるけど、いやいやそれはさすがにないだろうと思う。でも確かに日本で女の子たちとドラゴンボールの話をしたことがない。セル時代が一番好きだとか、フリーザもいいよね、でもブウはないよね、とか。前日に、ワンピースも大好きなんだって話してたから、これはちょっとダメかもしれんと諦めかけていたところに、今日はハンターハンターも好き!ときた。はあ、よかったぁ。まだいける。キルアが大好きで、日本でフィギュアを買ったけど、40ユーロくらいしたんだよ!バギーは15ユーロもしなかったのに!って。そういう話。ヒソカ嫌いはいただけないな。

朝は、コピー機のとこでごちゃごちゃしてるところに、ダブルピースで、Hey!
なんだか癒されます。

亀仙人はバトルものが好きなのかもしれないけど、スポーツものは?と聞くと、アイシールドだって。あー知らない。スラムダンクは読んでないの?と聞くと、知ってるけどまだらしい。スポーツ漫画で最高峰だから絶対読んでと推しといた。それから、黒子のバスケ、弱虫ペダルと続いてきて、あーあれね、とアニメで見たことあるなと分かってしまう自分もなかなかのもんだな。アニメで面白かったからハイキューを聞いてみると、ウワサですごく面白いって聞いてるらしいけど、まだらしい。フランスでもハイキュー人気なんだ。銀魂は?ジョジョは?名前は知ってるけど、、、って。ちょっと残念。
それで一番のオススメを聞いてみると、ゴソゴソって携帯出したからサイトで見せてくれるのかな、と待ってると、裏側のケースを見せてきて、ワンパンチマン!だって。『ワンパンチマンって検索してみて!これが今一番大好き!』て帰り際に念押しされた。

週末の仕事のお昼時間。も一人同じ頃に来たフランス生まれのタイの女の子も日本アニメドラマ好きで、三人で長机のはじっこを陣取りアニメ漫画話で盛り上がる。二人はしきりにフェアリーテールをカタカナっぽく頑張って言ってくれるんだけど、知らない!フランスではずいぶん人気みたい。あとタイの子はブリーチが好きみたい。バーンカイとまた日本語らしく真似してくれるのを大笑い。それと、ドラマで円陣組んで『ファイトー、オー!!』ってのを見たのがツボだったらしく、それを何度もやるから面白すぎる。

日本では当たり前だったことも、海外からみると全然違うし、変だと思われてることもいっぱいあったり、フランスの女の子たちの興味がどんなものにあるのかってのが見えて、話を聞いてるとすごく面白い。結局はフランスも若い子たちにはアニメ漫画だ。日本のクールジャパン政策ってその名前どうなのよって思ってたけど、日本=アニメ漫画+寿司焼き鳥+α、っていう若い世代にはこの方程式がもう十分浸透してます。どうやって広まってったの?って思うくらいみんなよく知ってる。最近、地下鉄で通勤時間に日本の漫画読んでる人よくみかけるようになったし。

ドラゴンボールもスラムダンクも大好きだったけど、中高生時代は漫画アニメ好きってのは、漫研ってイメージが強くて触れてはいけないようなものだったなぁと振り返る。彼女たちの好きな漫画とはちょっと違ってた。ワンピースも流行ってたけど、あれだけは好きになれなかったな、今も。あのころの女子校中高生を知ってる限りで分析してみると、ビジュアル系バンド好きと漫研って重なる部分が多くあったと思う。昨今二次元の嫁だけでいいという男性がいるように、二次元美形と王子に走る黒髪長いスカート漫研または剣道部vs男子高生を意識してお化粧に勤しむブランドバッグとブランドの紙袋を持つ茶髪ギャル系ルーズソックスという二大派閥があり、ギャル派がなんでも取り仕切る。どちらにも溶け込めない自分は毎週水曜にドラゴンボールGTをチェックし、暇なときは学校帰りに一人で映画館に行き、家に帰ってはちくちくカバンを手作りしてた。何でも話せるような友達はほとんどいなく、あの学校に居場所はなかったから一人でいることに慣れて、一人遊びも大得意になってった、のが今に続く。

アニメをチェックするようになったのは、いつだろう。たぶん、大学卒業して専門行ってるときの友だちの影響かな。腐女子を自負する二人の女の子、銀魂好きと元ゴスロリ、アニメ大好きな男の子好きのかわいい男の子。お家に遊びに行ったときに、リリーシュ?だったかなを見せられ、少女漫画みたいなキラキラの目をした男子高生が出てきて、そのときは、うわっこれはついてけない、と思ったけど、でも三人のことは大好きだったし、仲間に入れてほしいと心から思ってしまった。アニメが見れるサイトを教えてもらい、『マリア様がみてる』を勧められたからとりあえず全部見てみて、銀魂を初期から見て、それから自分でアニメ探すようになって、それがここパリで話しのネタになり、役にたつことになろうとはそのときは全く思ってもみなかった。