mercredi 5 juin 2013

Le Sarcre du printemps / Pina Bausch @ Théâtre des Champs Elysées

数年前にエントランスまでは入ったことがあったけど、今回初めて、Théâtre des Champs - Elysees の劇場の中に入って公演を観ることができた。今年2013年は、この劇場が建てられてから100周年!フランスの音楽ジャーナリストで興行師だった、Gabriel Astrucガブリエル・アストゥリュク自身が資金を出して建設された劇場だけど、その後彼は破産してしまったっていうから、それだけ想いのこもった劇場なんだと思う。こけら落としには、Gabriel Astructと親交のあった、ディアギレフ率いるBallets Russesバレエ・リュスが、ニジンスキーの振り付けでストラヴィンスキーの「Le sacre du printemps春の祭典」を発表。これが、歴史に残る、観客同士が殴り合いにや野次で問題になった最初の公演。今では、本当に様々な振付家によって世界中で公演がなされてる「Le sacre du printemps」も今年で100周年ってことになる。それを祝しての、ピナ振り付けによるヴッパタール舞踊団の「Le sacre du printemps」だった。

始まる前には、「Probe Sacre (Une répétition du Sacre )」という日本人ダンサーKyomi Ichidaが、ピナから振り付けのレッスンを受けてるドキュメンタリー映像がスクリーンに映し出され、それがすごく面白かった。
Ichidaさんも素晴らしいダンサーなのだろうけど、ピナの動きとはほど遠く
全く違うものに見えてしまった。大きな円を描いてふんわりとした手の動きのほんの数秒のところを、ピナはタバコをずっと手にしたまま、こんな感じよっていう風に、ちょっと力の抜けたように何度も何度も繰り返し踊って伝えようとしてた。ピナは、背が高く、真っ直ぐで、手がすごく長い。身体は自然にしなやかで、小枝のように風にも揺られてしまうような軽さを見ていて感じた。

もう少し見ていたいと思ってたところで終わってしまって、スクリーンがあがるど、舞台には、土を目一杯詰め込んだ大きなタンカーがたくさん運ばれてきた。どしん、どしんと、舞台に土が敷き詰められてく。二階席の舞台に張り出したバルコニーの1番前の席だったから、土の香りがほんわりとしてきて、それを身体に吸い込んで、劇場に溶け込んだ気分で観る準備は万端。


始まりは、ヴィム•ヴェンダースのドキュメンタリーで何度も見たし、内容も映像で見たことあるから、だいたいのことはなんとなく知ってたはずだった。でも、やっぱり、劇場で観るのは、ぜんぜん違う。匂いや音で気分は高揚してきて、迫ってくるダンサーたちの目に圧倒されて、背けてしまいそうに怖い。これまで観てきたピナの他のどの作品とも感じが違くて、幸せな気分になったりはしないけど、どの作品よりも、またもう一度観たい!





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